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これだけ開発がすすんだ現代においても、まだまだ「山」って底知れぬ恐怖感を感じさせるもの。たとえば真夜中に山の中をドライブしていて、携帯の電波は入らない、あたりは真っ暗で何の音もしない……なんて状況は、大のオトナでも鼻水たらして泣いちゃいそう。

先日、山と渓谷社が刊行したのは『山怪 山人が語る不思議な話』という本。著者の田中康弘氏が、マタギや猟師など “山で働き暮らす人々” から実話として聞いた、山の奇妙な体験談を多数収録したもの

「現代版遠野物語」ともいうべき一冊だそうなんですが、創作怪談ではなく「実話」ってところがまた恐ろしさを増長させるじゃないですか……。

【山の裏側の世界】

この本の話者となるのは、秋田・阿仁のマタギたちや各地の猟師など山で働き暮らす人びと。自身が経験したこととして語る物語は、リアリティたっぷりでとらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれます。

礼文島から西表島まで、日本全国を放浪取材するフリーランスカメラマンである著者のマタギ等の狩猟に関するフィールドワークの成果として、陳腐な怪談本とは一線を画す仕上がりに。

【目次見ただけでヤバい……】

じゃあ、具体的にどんな話が収められているのか? ここで目次からいくつかタイトルをご紹介しましょう。

「楽しい夜店」「生臭いものが好き」「見える人と見えない人」「汚れた御札」「人魂、狐火、勝新太郎」「来たのは誰だ」「なぜか左右が逆になる」「飛ぶ女」「山塊に蠢くもの」

などなど……もうタイトルだけでゾーっとなる! ゾーッとなるけど、どんな話か思わず気になっちゃいますね。「人魂、狐火、勝新太郎」だけは意味不明すぎてちょっと笑ったけど!

【プロモーション動画がこれまた怖い】

まだまだゾゾゾ感が欲しいという欲しがりやさんは、YouTubeで公開されているプロモーション動画もチェック! 真っ暗な中で著者の田中康弘さんが本の一部を朗読しており、恐怖ムード満点。ぜひ夜中に部屋を真っ暗にして観ていただきたいです。

山にはまだまだ得体の知れない何かがいる……。そんな恐怖を堪能できそうな『山怪 山人が語る不思議な話』。夏の涼を取る一冊としてお手元に置いてはいかがでしょう。

参照元:PR TIMESYouTube
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch

▼『山怪 山人が語る不思議な話』ダイジェスト版